同世代アーティストとの活動から、独自の音楽を確立してきた大御所との演奏まで、日本のジャズ・シーンで、存在感を高めるピアニスト、永武幹子。
大学卒業から即、プロとして活躍してキャリアを積み上げ、今、月間のライヴ回数は、常に20回超。各地ライヴハウスでの人気と信頼と共に、日々の現場を糧とした活動は、ジャズという音楽の本質的なものとも結びついている。
そんな彼女が2025年、新たにリリースするのは再びのソロ。孤高のインプロヴァイザー、セシル・テイラーのトリビュートという注目作だ。一般的にフリー・ジャズとカテゴライズされる一方、独自の音楽的スケールももち、理論的な側面とインテリジェンスで音楽を構築しているテイラーの演奏に導かれて研究。千葉・柏Nardisでのスペシャル・ライヴが本作となった。
演奏の前半2曲はセシル・テイラーの作品収録曲から。1曲目は1973年の来日時に録音された『ソロ』の一曲。2曲目はCandidの初期名盤、『The World of Cecil Taylor』に収録されたスタンダード(ミュージカル)曲
セシル・テイラーへのリスペクトと共に、彼女が長年演奏してきたジャズの伝統的な美しいハーモニーが響く2曲目、瞬発力とスピード感をもって鋭角的なフレーズや打楽器的な演奏が繰り出される3曲目の展開、そのコントラストなども鮮やか。高い集中力から生み出される音楽は、聴くものを音楽の世界に引き付ける。
初リーダー作から4年あまり。次代を担うピアニストが新しい扉を開く一作品だ。
永武幹子 (piano) solo
録音: 2025年8月22日 千葉・柏 Nardis
Mixed and Mastered Shinya Matsushita
| 01 | Lono | 13:58 |
|---|---|---|
| 02 | This Nearly Was Mine | 8:40 |
| 03 | Improvisation#1 Pt.1 Beginning | 2:50 |
| 04 | Pt.2 Storying | 4:54 |
| 05 | Pt.3 Plunging | 3:33 |
| 06 | Pt.4 Longing | 8:35 |
| 07 | Pt.5 Settling | 4:27 |
| 08 | Improvisation#2 | 12:18 |
total time 60:15
千葉県船橋市に生まれる。
5歳よりクラシックピアノを始め、ヤマハ音楽教室で寄島清美氏に師事、演奏技術だけでなく、即興演奏や作曲の基礎を学ぶ。
中学時代は法田中学校ブラスバンド部に所属し、トランペットを担当。
早稲田大学法学部入学後、同大学モダンジャズ研究会、ハイソサエティオーケストラに入り、ジャズに目覚める。
大学0Gのジャズピアニスト清水くるみ氏に師事。その間、さまざまなセッションに加わる。
大学卒業と同時にプロになることを決意し、ジャズピアニストとして演奏に専念。
現在は、増尾好秋(guitar)YOSHIAKI MASUO GROUP、酒井俊(vocal)グループ、峰厚介(t.sax) M’s Three などに参加する他自身のピアノトリオ”永武幹子Trio”, ”J.J.Soul”や加納奈実(a.sax&s.sax)とのDuoユニット”Jabuticaba”をメインに、東京都内のジャズクラブやライブハウスを中心に活動している。
2021年より自身のリーダートリオや参加ユニットでアルバムを続々とリリースし、最近では大村亘とのユニット”eFreydut”でニューヨークでの録音を敢行し2024年2月に”Fairway”を発売。また、NHKをはじめとする各ラジオや放送大学への出演、2022年の銀座王子ホールでの渋谷毅氏との共同ピアノソロ公演、2024年12月の村上春樹氏の早稲田大学名誉博士号贈呈式の記念イベントでの演奏など、活動の場は多岐にわたる。