ヨーロッパ・ジャズのパイオニア的な存在であり、イタリアが世界に誇るピアノの詩人、エンリコ・ピエラヌンツィによる決定的なライヴ演奏!メンバーはマーク・ジョンソンとジョーイ・バロン。長いキャリアの中核をなすトリオが初録音作品から35年を記念して再集結し、パリの新たな芸術拠点、ラ・セーヌ・ミュジカルに興奮を巻き起こした。
コンサートの提案もピエラヌンツィ自身から始まったとのこと。美的な世界はもちろんのこと、演奏には、この3人で音楽を奏でる歓喜があふれかえる。楽曲は1曲をのぞき、全てピエラヌンツィのオリジナル曲。どの曲も秀逸ながら、メランコリックなイントロ/テーマと、パッションあふれるソロが一体となる名曲
満席の会場から起こったアンコールは3回!
ステファノ・アメリオによって捉えられた録音もすばらしい。ピエラヌンツィにとってももちろんのこと、ジャズ・ピアノ・トリオの歴史に連なる名演と言って過言でない。
Enrico Pieranunzi (piano) エンリコ・ピエラヌンツィ
Marc Johnson (bass) マーク・ジョンソン
Joey Baron (drums) ジョーイ・バロン
2019年12月13日
パリ オーディトリウム・ドゥ・ラ・セーヌ・ミュジカルにて録音
All music by Enrico Pieranunzi except track #2 Cole Porter
Mixed in Cavalicco (UD) in January 2020 at Artesuono Recording Studio
Recording and mixing engineer Stefano Amerio
Mastered by Danilo Rossi
01 | ジュ・ヌ・セ・クワ Je Ne Sais Quoi | 6:54 |
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02 | エヴリシング・アイ・ラヴ Everything I Love | 5:28 |
03 | B.Y.O.H. (ブリング・ユア・オウン・ハート) B.Y.O.H. (Bring Your Own Heart) | 7:23 |
04 | ドント・フォーゲット・ザ・ポエット Don’t Forget The Poet | 9:16 |
05 | ハインドサイト Hindsight | 7:27 |
06 | モルト・アンコーラ (ペル・ルカ・フローレス) Molto Ancora (Per Luca Flores) | 5:54 |
07 | キャッスル・オブ・ソリチュード Castle Of Solitude | 5:21 |
08 | ザ・サプライズ・アンサー The Surprise Answer | 6:00 |
total time 53:00
作曲家/編曲家。クラシック的な技術とジャズの伝統にのっとった確固とした土台と、イタリア人としてのメロディ、ハーモニー感覚が息づく、美しく、詩的なコンポジション、演奏はオリジナリティをもって、数々のフォロワーも産んでいる。
原点はギタリストであった父の影響。5歳からピアノを演奏し始め、幼少の時より父の所有するレコードから音楽に目覚め、ブルース、また即興の手ほどきを受けている。19歳のとき、マルチェッロ・ローサのトロンボーン・カルテットのメンバーとして本格的にプロとして活動を開始。自らのバンドで活動をするほか、数々のグループにも抜擢されている。リー・コニッツ、ジョニー・グリフィン、ジム・ホール、ケニー・クラーク、ポール・モチアン、チャーリー・ヘイデン等々、ジャズの先達、巨匠と共演してきた。晩年のチェット・ベイカーとも夢の共演を果たし、79,80年の録音を収録した『Soft Journey』は名演と名高い。
自らのリーダー作を中心として、約100作のアルバムもリリース。70年代から80年代にかけてヨーロッパの中で最も国際的な性格を持っていたレーベルSoul Note(Ita)をはじめ、本CAM Jazz(Ita)、Challenge (Ho), Storyville (Den), Stunt(Den), Intuition(Ger)など各国の名門レーベルから作品を発表してきた。
1989年、2003年、2008年にイタリアMusica Jazz誌の批評家投票で、”Artist of the Year”に選ばれたことを筆頭に、1997年にはフランスのDjango d’Or Prizeで”Best European Musician”, 2014年にはドイツEcho jazz Awardで“Best International Keyboad Artist”を受賞。
2010年7月には、マーク・ジョンソン、ポール・モチアンとともに、NYのヴィレッジ・ヴァンガードに出演。世界中のジャズ・ミュージシャンが憧れる殿堂のステージに、リーダーとして、初めて立ったイタリア人ともなり、『ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』として作品も発表した。また2015年、2016年にも同クラブのステージにたっている。
300曲以上の作品も作曲。ビル・エヴァンスに関して、ピアニストならではの視点で語った著作も出し、研究する一方、あふれ出るイマジネーションで、なおかつ革新的な演奏で進化させている点も特筆に値する。現代最高のジャズ・ピアニストの一人である。