世界を視野に、音楽作品のリリースからプロモーションサポートまで

マーシャル・ジルクス & WDR ビッグバンド/ライフソングス

マリア・シュナイダー、ニューヨーク・フィル、スライドモンスターズ…etc.
NYC を中心に活躍する現代屈指のトロンボーン奏者マーシャル・ジルクス!
グラミー賞にノミネートされた『Köln』『Always Forward』に続くWDR との共演第3弾
本年2023 年はエドマール・カスタネーダ・トリオのメンバーとしても来日
超絶の演奏と、今を生きる音楽家としての視点をテーマとした屈指のアンサンブル・サウンド!

マリア・シュナイダーが「絶えず、わたしの口をぽかんとさせ、信じられないと、目と耳を疑うほど、すごいプレイをみせるミュージシャン」と表現し、長年にわたって、彼女のオーケストラで活躍。また精鋭が集ったトロンボーン四重奏団スライド・モンスターズや、ニューヨークフィルといったクラシックのフィールドでも名を馳せ、本年2023 年はエドマール・カスタネーダ・トリオのメンバーとして来日して、熱い注目を集めた現代最高峰のトロンボーン奏者、マーシャル・ジルクスによる最新作品。
本作はリーダー作として8作目、世界屈指の名門ビッグ・バンド、WDR ビッグ・バンドとの3作目の作品となる。
WDRでの演奏は今からさかのぼること10数年前。ジルクスは、2010年、数週間にわたる長いオーディションへの招待を受けたのち、正式なメンバーとして加わって、4年間、正規メンバーとして在籍。2013年12月には最後のコンサートを行ったが、バンドのプロデューサーの依頼で、翌月、送別コンサートのために再びドイツに戻り、その演奏は『Köln』となってリリース。また、2017年に再びの機会を得て『Always Forward』を制作。この2作はともにグラミー賞にノミネートされ、世界的に評価された。
そして本作はバンド・マネージャーArnd Richterが再びの共同プロジェクトを企画し、ジルクスの快諾の元にスタートを切った。時を重ね、一作ごとに関係が深まっているのはもちろんのことながら、興味深いのは2022年の夏、その準備をするうちに明確になったテーマでもある。 “曲の多くのテーマが、自らの今日の生活や世界で起こっていることと直接関係している”というジルクスは、2022年5月、「個人的な日常、最も身近なものを熟考することでたどり着いた」と語る『サイクリック・ジャーニー』を録音。そこでは、NYという都市を中心として精力的に活動する音楽家であるとともに、家族と暮らす一人の人としての内的なものを見つめ、組曲として描き出した画期的な作品を創り上げている。本作はそこからの延長線をたどるものも見える。
作品は華麗なブラスとトロンボーン・ソロが快活に響き合うM1、ブラッド・メルドーの『Day is Done』収録の<50 ways to leave your lover>からインスパイアされたというミニマルなドライヴ感があふれるM2で幕開け、コロナ・パンデミックを経ての再出発を鮮やかに描き出す。一方、M3は自らの娘のために書いた楽曲。これまで、スライド・モンスターズでのトロンボーン・アンサンブルやトリオで演奏してきたが、新たなオーケストレーションを施した演奏は、優しさと柔らかさがより印象的になった。つづくM4はアメリカ銃社会への切実な思いを描いた曲。荘厳な中に不協和音を交えたアンサンブル・サウンド、慎ましやかなトロンボーンとピアノのソロには、静かでありながら、強い祈りがあふれる。他、トラッド・ソングをアレンジ、ジルクスにとっては初めてシンガーとラージアンサンブルとの譜面を書いたという楽曲M5は、空軍士官学校のバンドが子供向けの曲を書いてほしいと依頼してきたことをもとに、自らの母親が子供達に歌っていた子守唄を思い起こして書いた曲。また唯一のスタンダード・ナンバーM8はチック・コリアのソロアルバム『Expressions』で聴いて以来、ずっと愛し続けてきたという曲。スロー・テンポの中、柔らかなアンサンブルとフリューゲルの音色は美しいバラードとして完成度が高い。CDのラストM9は尊敬するボブ・ブルックマイヤーへのリスペクトを見せる。
9トラックの合計は74分を超える。しかし、緻密、かつ多様なアンサンブル、卓越のソロ演奏に加えて、思いがこめられた楽曲と演奏は、長尺であることを全く感じさせることがない。振り返るとWDR との第2作『Moving Forward』は、政治的な状況やソーシャルメディア、そのほか、現代におこる様々な変化を憂慮しつつ、常に前進、持続していくという意思を表現したもの。今作は、その後に起こったコロナ・パンデミックという衝撃の時を経て、内省的なものも加わり、表現の深化も進んだ。
デジタル版では、この9トラックに加え、さらに2曲を追加。超絶のテクニックと共に、今を見つめて生き、音楽的な探求と創造的な冒険を持続するジルクス。その音楽は同時代に生きる人々へのギフトともなって響く。

Members

Marshall Gilkes (composer, arranger, trombone, conductor)

【Reed】
Johan Hörlén (alto saxophone, flute, clarinet)
Pascal Bartoszak (alto saxophone, flute, clarinet)
Ben Fitzpatrick (tenor saxophone, clarinet)
Paul Heller (tenor saxophone, clarinet)
Jens Neufang (baritone saxophone, bass clarinet)

【Trumpet】
Andy Haderer (trumpet, piccolo trumpet, flugelhorn)
Wim Both (trumpet, flugelhorn)
Rob Bruynen (trumpet, flugelhorn)
Ruud Breuls (trumpet, flugelhorn)

【Trombone】
Ludwig Nuss (trombone)
Raphael Klemm (trombone)
Peter Hedrich (trombone)
Andy Hunter (trombone (track 6))
Mattis Cederberg (bass trombone, tuba)

【Rhythm Section】
Billy Test (piano)
John Goldsby (bass)
Hans Dekker (drums)

【Vocal】
Sabeth Pérez (vocals (track 5))

Credits

Recorded November 11th, 14th, 15th and 16th 2022 in the WDR Funkhaus Studio 4, Cologne, Germany

All selections composed and arranged by Marshall Gilkes with the exception of All the Pretty Little
Horses, traditional, and This Nearly Was Mine
composed by Richard Rodgers and Oscar Hammerstein II

Tracks

01 Fresh Start 7:06
02 Back in the Groove 9:47
03 Cora’s Tune 9:37
04 My Unanswered Prayer 6:58
05 All the Pretty Horses 7:54
06 Middle Ground 10:23
07 Sin Filtro 9:26
08 This Nearly Was Mine 6:27
09 Sugar Rush 6:45

Bonus Tracks (Digital Only)

10 Longing for Home 8:26
11 Taconic Turns 5:32

total time 74:26


発売日
2024年1月中旬 日本流通開始
フォーマット
CD
レーベル
Alternate Side Records (USA)
品番
ASR 017
販売価格
輸入盤オープンプライス

Promotion Movie

Artist Profile

過去20年の間で、卓越したトロンボーン奏者として地位を確立したマーシャル・ジルクスは、現代屈指の演奏家として、また作編曲家として注目を集める。2004年以降、9枚の作品をリリース。トリオ編成から、カルテット、クインテット、またブラス・オクテットとジャズ・コンボのコラボレーション作品、ビッグ・バンドとの共演など、さまざまな編成での演奏を作品として発表している。その中で、2015年に発表されたWDR ビッグ・バンドとの共演作『ケルン』では、2部門でグラミー賞にノミネートされた。
超絶技巧とともに、暖かく包み込むような音色とを合わせ持った演奏で、引く手あまたの活躍。マリア・シュナイダー・オーケストラの長年のメンバーであり、ヴァンガード・オーケストラのリード・トロンボーンも本年までつとめ、現代のラージ・アンサンブルの音楽において、なくてはならない存在である。またベーシストのカルロス・エンリケス、ハープの鬼才、エドマール・カスタネーダといったアーティストの作品に参加するほか、ニューヨーク・フィルハーモニックのメンバーとしての活躍など、クラシック界でも高い評価を獲得している。
日本では、小曽根真featuring No Name Horsesの『アンティル・ウィ・ヴァニッシュ15×15』に参加し、2019年のブルーノート公演でも演奏。2022年はセイコー・サマー・ジャズ・キャンプの講師、またスライド・モンスターズのメンバーとして来日、2023 年はエドマール・カスタネーダ・トリオの一員として来日し、熱い超絶技巧が注目を集めた。
教育者としても活躍中。ニュー・イングランド音楽院の教授を務めるほか、バークリー、マンハッタン音楽院、ノース・テキサス大学等々、数々の音楽学校で講師を務め、マスター・コースなどで後進の育成にも貢献している。