疾風怒濤、豪放磊落のアヴァン・プログレッシヴ・ジャズ・ロックと評された藤井郷子カルテットが復活を告げる!このカルテットは ベース、早川岳晴、ドラム、吉田達也という強靭なリズム・セクションと、フロントにトランペットの田村夏樹というメンバーによるもの で、藤井郷子にとって、ニュー・イングランド音楽院への留学と、NY での活動から帰国して、実質的に初のレギュラー・ユニット。 2000 年の初め頃に SLASH TRIO で活動していた菊地雅章より吉田を紹介されたことがきっかけで結成。2001 年に『ヴァルカン』*注 をリリースし、06 年録音の『バッカス』まで合計 5 作を発表したが、その後活動を停止。本作は 18 年ぶりのスタジオ録音となる。
一方、メンバーとの個人的な繋がりは続き、密接に活動していた 7 年間には海外ツアーも行い、お互いにリスペクトする仲。再会 に当たって 5 枚のアルバムを通して聴き、あらためて、“潔く、すごくカッコいい”と感じたという藤井郷子。2023 年、新年恒例とする 新宿ピットインのマラソン・ライヴで演奏したのち、7 月に京都、神戸、愛知、東京と 4 ヶ所をツアー。2024 年、再びのピットインのマ ラソン・ライヴで演奏し、4 月、ついにこの録音につながった。
田村夏樹と録音がある冒頭の一曲をのぞき、他 6 曲は、全て新曲。「過去を振り返るのは好まない、バンドが特定の形に固定さ れることは望まず、良い音楽は変化して生きている必要がある」とも語る藤井郷子の言葉が表す通り、結成当初から四半世紀、18 年ぶりの録音がノスタルジーなどと無縁なのは言うまでもないが、録音直前のリハーサルの音を聴き直して、実に、急遽全面的にアレンジを手直しし、ぶっつけで録音に臨んだともいう。結果、国内外をアッと言わせ、プログレッシヴと評され続けてきたバンドの オーガニックな勢いが詰まった。
トランペット、ベース、ドラムが、まるでファンファーレのようにアルバムの火蓋を切る幕開けから、全 7 曲 55 分。複雑な変拍子を 一糸乱れることなく繰り広げるアンサンブル、グルーヴするリズム、フリー・フォームとキャッチーさが同居するテーマとソロ、そして 轟音爆音でありながら清々しささえも感じさせる疾走感・・・ジャズ、ロック、パンク、プログレ・・・、ジャンルの壁をものともしないこの カルテットには自由なスピリッツがみなぎる。
4 人は、この秋、作品を携えてヨーロッパを轟かす。
注)『ヴァルカン』=ミュージックマガジン 2001 年ベストジャズアルバム / スイングジャーナル 2001 年日本ジャズ賞4位
Satoko Fujii Quartet
田村夏樹(Natsuki Tamura) – trumpet
藤井郷子(Satoko Fujii) – piano
早川岳晴(Hayakawa Takeharu) – electric bass
吉田達也(Tatsuya Yoshida) – drums
【録音】
2024年4月8日 東京 小岩 オルフェウス・レコーディング・スタジオ 菅原直人
Edited on April 10, 2024 by 吉田達也
Mixed on June 20, 2024 by Mike Marciano / Mastered on June 25, 2024 by Mike Marciano, Systems Two, NY.
01 | Not Together | 5:47 |
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02 | Haru wo Matsu | 9:22 |
03 | Metropolitan Expressway | 8:27 |
04 | A Parcel for You | 5:45 |
05 | Circle Dance | 11:19 |
06 | Low | 6:42 |
07 | Dog Days of Summer | 7:29 |
All composed by Satoko Fujii (BMI), Koro Music (BMI)
total time 54:51